神楽電力の女性社員に聞く! エネルギーを通じて島根・石見地域の未来を拓く仕事のやりがいとは

島根県浜田市を拠点として、「再生可能エネルギーの地産地消による地域経済の活性化」を企業理念に掲げ、独自のエネルギー事業を展開する会社、「神楽電力株式会社」 。

元々は、風力発電13基、メガソーラー1か所により発電したクリーンエネルギーを大手電力会社に売る事業を行っていましたが、「県外に卸すよりも、地元で使う方が価値がある」と考え、2020年に、発電から小売までを担う地域新電力会社として設立されました。

立ち上げから現在まで、建設業や特産の瓦産業などの地元企業による民間出資100%で運営されているという、全国でも珍しい特徴を持つ地域新電力です 。

今回、そんな神楽電力で活躍する女性社員5名にインタビューにご協力いただき、地元・島根での仕事にかける想いとやりがいなどについて、お話をお聞きしました。

地域の願いを叶える会社

―神楽電力は民間出資100%とのことですが、どのような経緯で資金が集まったのでしょうか?

松井:神楽電力は、その昔、地域経済の低迷や環境悪化を危惧する石見地域(江津・浜田・益田)の若手経営者グループが、豊かな自然環境の残るこの地域を、自然環境の保護と発展を両立する先進地域とすることをビジョンに掲げたことがきっかけで、事業構想が生まれました。

現在は、自社で保有する風力・太陽光などの再生可能エネルギー電源も取り入れた電力を調達し、主に石見地域の自治体(公共施設)や事業者、取次店経由で一般家庭にも供給しています。供給エリアの約9割が、石見地域です。

また、PPA事業(Power Purchase Agreement:電力販売契約)や、地域の資源や地形を活かした小水力発電所の開発など、新しいエネルギー事業にも積極的にチャレンジしているほか、中間支援組織の運営にも取り組んでいます。

―地域の経営者たちの願いが一つになって、事業が発展してきたのですね。会社の組織体制はどのようになっていますか?

松井:神楽電力は、 営業、入札、広報、取次店連携を担う営業企画部と、調達、需給管理、顧客管理といった根幹を支える電力事業部に分かれており、双方が連携しながら運営しています。女性が少ないと言われるエネルギー業界ですが、女性が多数活躍し、社内の雰囲気が明るいのが自慢です。

江津東ウィンドファーム風力発電所

彼女たちの“きっかけ”と、仕事のやりがい

―次に、皆さんが神楽電力に入社されたきっかけと、担当業務について教えてください

松井:私は、元々島根県が地元で、東京への大学進学を経て地元の信用金庫に勤めていましたが、父親が代表を務める神楽電力の事業が本格化するタイミングで入社することになりました。神楽電力の電気をどう地域に広げていくかを考える、営業企画部の中核として仕事をしています。

神楽電力の電気は、今では公共施設から一般家庭まで幅広く利用されていますが、設立当初は特に地域の人たちからの認知度や事業への理解が乏しく、「本当に大丈夫なの?」と不信に思われてしまうこともあり、地域との関係構築が難しいと感じていました。

でも5年が経った今、最近では自治体側からゼロカーボン推進に関する相談が来たり、お客様から契約の申込みの電話が入るなど、認知の広がりを実感しており、仕事のやりがいを感じています。

宇津:私は、保育士からのキャリアチェンジで入社しました。保育の仕事では、子育てとの両立が難しいと感じていたところ、高校の吹奏楽部の活動で知り合いだった松井と深ヶ迫から紹介してもらったことがきっかけで転職しました。「働きやすい会社」だと聞いて入社しましたが、実際にその通りだなと感じています。

担当業務は、営業企画部の広報担当で、Instagramを使ったSNS発信などに取り組んでいます。広報職は未経験で、ゼロからのスタートでしたが、副業人材も活用しながらYouTubeやCMにも挑戦し、その成果が契約数の増加として現れはじめています。社員紹介などの企画も実施し、“顔が見える電力会社”というイメージ付けをしていきたいと考えています。

深ヶ迫:私は、元々松井の同級生で、代表である松井の父と姉とともに弊社の初期メンバーとして入社し、今年で11年目になります。

仕事では、電力事業部に所属し、会社の「裏方」として、電気の調達・需給管理など専門的な部分を担当しています。電気に関わる制度は変更が常にあるため、学び続ける大変さと面白さを同時に感じています。

神楽電力も、ローカルグッドのサポートを受けていますが、定期的に勉強会を開いていただいたり、制度の変更点を随時共有いただけることが非常に助かっています。

中城:私は、自動車関連会社での事務職を経て入社し、5年目になります。銀行員時代の松井と知り合ったのがきっかけで、オファーをいただきました。私は環境問題に関心があり、神楽電力での仕事は、環境にも地域にも貢献できる仕事だと感じたことが、決め手になりました。

所属は営業企画部で、取次店とのやり取り、発電所関連業務、入札書類の読み込みなど、複雑な業務が多いですが、結果が出た時には大きな達成感があります。会社の認知度の向上に伴い、地域の反応が良くなってきたことも、嬉しく思っています。

力石:2011年には上京していましたが、東日本大震災を通して、当たり前の暮らしやエネルギーの大切さを強く意識するようになりました。

それをきっかけに地元へ戻り、さまざまな仕事を経験する中で、地域の暮らしを支える神楽電力の取り組みに共感し、入社しました。

広報活動の様子

―皆さんそれぞれの立ち位置で、会社の理念の達成のために貢献されているのですね。会社の設立から5年が過ぎ、地域や会社の変化を感じたことはありますか?

松井:先ほどの話にもありましたが、広報に力を入れはじめて1年が経ち、街で「あの神楽電力だよね」と声をかけられるなど、最近になってようやく認知度の向上が実感できるようになってきました。

社員が子どものお迎えの際にスタッフジャンバーを着て行ってくれることもあって(笑)。そうした地道な活動が実を結んでいるのだと思います。

深ヶ迫:私が変化を感じているのは、今まで以上に会社に対する誇りを持てるようになったことです。先日、環境省の事業で地域新電力立ち上げを検討されている方向けの現地研修会を、神楽電力で実施しました。

今までは自社に対して、「自分たちは小さい会社で、地域からの需要もまだまだ低い」という捉え方をしていましたが、全国各地から来られた方々から「すごいですね」とか「勉強になりました」という声をかけていただき、自分たちはもう自信を持ってやっていっていいんだな、と思えるようになりました。

お揃いのスタッフジャンバー

地域への想いと、これからの目標

―皆さんの、この地域の好きなところはどのような点ですか?

深ヶ迫:やはり、自然が豊かなところです。そのおかげで、太陽光発電、風力発電事業など、環境にやさしいエネルギー事業ができていると思っています。また、ここでは時間がゆっくり流れていて、穏やかで良い人柄の人が多いところも気に入っています。

―この地域で、皆さんがこれから仕事を通じて叶えたい目標を教えてください。

松井:この地域の経済を豊かにするため、価格競争だけではない「地域経済循環のモデル」を神楽電力で示したいと考えています。まだまだ地域でのシェアは多くないので、このモデルに共感してくださる方を増やしていくと同時に、地域の魅力も一緒に伝えていきたいです。

宇津: この仕事を通じて、自分の子や地域の子が誇れる、未来の子どもたちが安心して暮らせる地域をつくりたいです。
深ヶ迫:「石見地域の電力といえば神楽電力」と言われる存在になることです。また、これまで自分が教わってきた専門知識を、次の地域へ還元していきたいと考えています。

中城:電力の知識をもっと深めて、会社に貢献したいです。

力石:未来の子どもたちが安心して暮らせる地域を残したいという思いがあります。
その思いを原動力に、日々勉強を重ねながら、会社や地域に貢献できる存在になりたいと考えています。

浜田漁港の風景

神楽電力の社員の皆さんのお話からは、地域への強い想いと仕事への情熱が伝わってきました。チームで一丸となって、常に明るく未来志向で仕事に励んでいる様子が想像できました。

地域に根差し、社会的な意義を持ちながら働く神楽電力の皆さんの仕事は、次世代のインフラを創り上げる挑戦そのものです。神楽電力の存在は、課題を抱えた地域の未来を明るく照らし、住民の皆さんの希望の光となっていくことでしょう。

会社概要

会社名神楽電力株式会社
所在地島根県浜田市黒川町155番地7
会社HPhttps://kagura-denryoku.co.jp/